長男が産まれてから約半年ぐらいだろうか
嫁の叔母の一年忌のために俺、嫁、子供、義母で叔母宅に向かう車内で
嫁『あー、金がねー。お前の稼ぎが悪いから、嫌になるわー』
義母『ホントよ。高い給料もらえるとこに転職しろよ』
嫁『あー、イライラする』と言いながら、嫁が運転席を蹴り出した。最初は小突く程度だったが、徐々に激しくなり、何も言わない俺に対して、2人はさらにエスカレートした。
それでも耐え、平然と運転に努めた。
しかし、突然頭を叩かれた。『いたっ!』と言う俺の言葉に2人は大笑い。
この時、なにか吹っ切れた。俗に言う堪忍袋の尾が切れた。ってやつ。
俺は路肩に車を止め、車から降りた。
嫁『なにしてんだよ!運転しろよ!』
義母『バカじゃ無いの!こんなとこで!』
でも、俺にはもう聞く耳、いや力が無かった。
俺は2人の言葉を無視して歩いて自宅の方に向かった。
その後、2人は義母宅に向かったような。
10km程歩いて帰宅した俺は涙が止まらなかった。なんでこんな人生なんだろ。死にたい。と。
そんな時、地元で同じような内容で嫁、義母を殺した男のニュースが出ていた。全国放送されていたので覚えている人もいるかもしれない。
俺には彼の気持ちがよくわかる。それしか逃れる方法がなかったんだ。
嫁、義母が帰宅してきたとき、また罵倒されたら、俺はもう…と考えてしまっていた。
そして夜、2人は帰ってきた。
嫁『朝はごめん。生理でイライラしてて。怒らせたいわけじゃなかったんだよ。何か食べたいものある?食べに行こう』
義母『ごめんね。ちょっと冗談のつもりで』
まさかの2人とも謝罪してきた。僕は許してしまった。
でも、この許しで僕は更なる地獄へと向かうのであった…
続く。